差押さえられた経験は数十回、差し押さえた経験も数回あり。
上手くいけば確実に財産を横取り?奪い返す?方法ですが、「正統派すぎる方法」のため、対策しやすい & されやすいともいえます。
口座差押えの基本
まずは敵を知ることが大切ですね。
差押えの基本を把握した防御態勢で、少しでも被害を抑える方法を心掛けます。
銀行口座の特定
差し押さえる側が「金融機関」「支店」を特定た上で、その金融機関に対して差し押さえをお願いすることになります。
大手銀行やゆうちょ銀行など、一部金融機関においては取扱支店や口座番号が不明でも差押えはできます。
その他銀行については基本的には「取扱支店」まで調べる必要がありますが、弁護士特権で支店名まで調べることが概ねできてしまいます。
通常は給与の指定振込先や、住居地近辺の金融機関が狙われる可能性が高いです。
差押えの実行日と時間指定
平日のみ
理由は土日祝日は銀行の休業日であることと、それに伴い裁判所からの特別送達(差し押さえの命令)も届かないから。
裁判所からの特別送達を銀行が受け取った日に、銀行側の都合の良いタイミング(営業時間内)で実行されます。
差し押さえの日付指定はできませんが、特別送達を日付指定便で送付することで、実質的に「実行日」は指定できます。
給与日が知られているとピンポイントで狙われたり、残高が豊富になりやすい月末近くが比較的狙われやすいです。
差し押えの時間
差し押さえの時間指定はできません。
裁判所からの特別送達を銀行が受け取った後の、銀行側の都合次第になります。また、午後1時に差押えが実行された場合、午後2時に入金された分は差押え対象外になります。
午前中にネットバンクでの振込に操作制限がかけられていたことがありました。
銀行に電話をしたら「〇〇裁判所から差押えが来ています。あと1時間くらいで実行すると思うので、その後にすぐ復旧しますので再度お試しください」と言われました。
差し押えの金額
裁判所が認めた債務などの総額を超えて差し押さえられることはありませんし、「特別送達を受け取った時点での残高分のみ」が差押え対象になります。
「〇円以上の入金(残高)があったら差し押さえる」等の条件指定はできません。午後1時に差押えが実行された場合、午後2時に入金された分は差し押えられることはありません。
差し押え被害を最小限にする方法
すべて私見なのでご了承ください。
第一条件として、いつでもどこでも口座を操作できるネット銀行やWEB取引契約は必須です。
また、口座残高は0円にせず数円だけ残しておくことを心掛けています。(理由は後述)
平日朝一の残高確認
口座に入金のある日が特定できるのであればこの作業は不要です。
私はフリーランスとしても多数の仕事を頂いており、入金日が驚くほどに不規則なのでこの作業は外せません。
朝一以外にも気が付いたら確認する習慣を身体が自然に覚えてしまいました。
取引制限の確認
残高確認により入金が確認出来たら、まずは資金移動ができるかを確認します。
私の場合は、WEBによる振込操作で「振込実行」の一歩手前までの操作ができるか確認するようにしています。
差押えが掛かっていたら、最終実行画面の前に取引制限エラーになる可能性が極めて高いからです。もし制限されていれば、その時点での残高はきっぱり諦めるしかありません。
資金移動
入金が確認出来たら、振込などにより安全口座に速やかに移動します。
但し、移動先が本人名義の別口座の場合は注意が必要です。
振込先口座に差押えが掛かっている可能性もあるので、本人名義の別口座への移動はリスクも伴います。
なるべくATM出金を最優先し、難しければ一番安全であると思われる口座に一時避難させます。
後述しますが、ゆうちょ銀行への資金移動は控えた方が無難 そうです。
入出金は同一銀行に集中
複数の口座で入出金管理を行うことで「リスク分散」も考えられますが、その場合には1つの入出金情報の漏洩でその口座は100%「危険口座」になってしまいます。5つの情報が洩れたら5口座すべてが危険口座になってしまいます。
私はあえて1つの口座に集中させることで「より安全な別口座」を複数持ち続けることができると考えています。
口座残高を0円にしない理由
差押えの確認が目的です。
残高0円にしてしまうと、差し押さえが実行されても取引記録が残らず、後日裁判所からの通知を確認するまで差押えがされたのかすら分かりません。
私の場合、裁判所からの郵便は漏れなくシュレッダー行が基本なので、差押確認のためにこのような方法をとっています。
確認したところで防げるわけではないので、気にしない方は常に0円にしておいても良いと思います。
差押え記録を通帳に残さない方法
上での説明のように、常に残高0円にしておけば差押え(引落)されませんので通帳に記録が残ることもありません。
ゆうちょ銀行取引に注意
ゆうちょ銀行での取引は弁護士に筒抜け!?
引落などに指定された以外は、ゆうちょ銀行に関わる取引はしないようにしています。差押え口座特定の際に口座番号が不要なことも理由になりますが、それ以上に『取引情報が相手に筒抜け』になる危険性が高いと考えられるからです。
具体的には、ゆうちょ銀行は弁護士の依頼に応じて、過去の他行宛振込などの情報を簡単に開示するといわれているからです。これでは安全口座への資金移動も意味を成しません。
借金問題に強い弁護士事務所
私は原則的に『無視』と『郵便物はシュレッダー直行』に徹していますが、支払督促など無視し続けると最悪の場合は財産の差押えが待ち構えています。差押自体は財産がなければどうでもよいことですが、一番困るのは勤務先への給与差押ではないでしょうか。金銭面と会社への信用面の2つに関わ問題です。ここまでくる前に確実に解決を望むのであれば借金問題に強い弁護士にお願いする方が無難です。
弁護士以外にも『司法書士』にお願いする方法もありますが、扱える限度額や委任可能範囲に違いがあります。費用的にも大差はないので全権一任できる弁護士に依頼する方が手間も省けスムーズに解決しやすい傾向にるようです。